2012/11/16

チューブアンプにはパワーアッテネータが必要か

いつもは、アンプの裏などに隠れていて出番がありませんが、たまには前の方にもってきて紹介してみます。
クルーズマニアック製のパワーアッテネータ GB-V1です。

マイナーな機材なので、パワーアッテネータなるものの説明をしておきます。
一般的にチューブアンプは、プリアンプでドライブするほかに、パワーアンプもドライブすると倍音成分が出てリッチなトーンになると言われています。

そうは言っても日本の一般家庭では、マスターボリュームは、1〜2とか、パワーアンプをドライブするにはほど遠い状況です。
そんなときは、チューブアンプの出力とスピーカーの間にパワーアッテネータを入れて、スピーカーにかかるパワーを絞ります。エコが叫ばれる時代になんとも無駄なことですが...
まあ、パワーアッテネータがあれば自宅でも100Wのアンプがフルボリュームにできる訳です。

なんだかとっても便利な機材ですが、使っている人は見たことがありませんね。
なぜ使われないのかと言うと、

・高価である
GB-V1は3万円前後ですが、プロ用のものは6〜7万円もします。ギター小僧からすると、ならばもう1台小さいアンプを買うよ、となりますね。
現在日本では4機種のパワーアッテネータを購入できますが、GB-V1は最も安価な機種です。

・音質が劣化する
回路的には極めて単純で、抵抗で分圧するタイプとトランスのタップで落とすタイプがありますが、抵抗方式は、電線をぐるぐる巻いてホーローで固めたホーロー抵抗(100Wくらいを熱として放出するので耐熱性の高さが必要)なので、直流的には抵抗ですが、交流的にはコイルです。つまりハイカットフィルターになり、ハイが落ちます。さわぐほどのことではないので、アンプのトレブルを上げれば良いと思います。トランスも中身はコイルなので、同じことです。

パワーアッテネータユーザーとしては、自宅では、これを使ってはじめてチューブアンプの価値が出ると自信を持って言えます。GB-V1は最も音がショボイと思われていますが、自宅で鳴らす分には十分でしょう。
特にボリュームを回して無段階に音量を調整できるのは何よりです。(切り替え方式はつらいかと)
ヘッドホン出力、ラインアウトも付いていますが、使い物にはなりません。

パワーアッテネータをケース上部のスリットから中を見ると主な部品はホーロー抵抗だけですからね〜 これで3万円はたかいよよな〜 と思います。
みんなが買うようになれば、一気にコストダウンできると思いますけど...

2 件のコメント:

メンテ屋 さんのコメント...

メンテ屋です。
いつもマニアックな解説ありがとうございます。アッテネータなるものがあるとは知りませんでした。いわゆる減衰器ですね。
国王ほどの知識があれば、自作で出来るのではと思っちゃいます。
会社で、1ヶ月ほど前に40年ほど前の機械が不調にになり、調べたところセレン整流器が壊れていました。位置決め回路にオペアンプを使っているほどの旧式で、この整流器でDC80Vを取り出しており、適当な電源がみつからず、機械メーカより代替品を取り寄せました。当然ダイオード製の基盤が到着。
セレン自体はどうやら有害の様ですね。
もちろんきちんと処分しました!

グッチー月曜から八戸、女川、函館、室蘭を回り、相当太ったとのこと。
それでも札幌でうまそうに、ジンギスカンを
食べて帰りました。次回は年末30日ですね。それではまた・・・

マリネラ国王パタリロ八世でございます さんのコメント...

昔は自作していたのですが、連続可変で減衰量を設定できないのと、放熱が不安なので、市販品を使うことにしました。スピーカにかかるパワーをすべて熱にして放出するので、結構熱くなります。
今回紹介した製品は150WまでOKで、熱くなるとファンが回るそうです。(このへんの設計はさすがです)

セレン整流器とは聞いたことはありますけど、見たことはありません?
昔は有害な水銀電池とかありましたよね、これが製造中止になってカメラ的には困りましたけど...

グッチーは会社の経費で食べ歩きの旅ですか、いいですね。